え!楽天も売り切れ? 小説「青い鳥のロンド」
今日こそは 「小説の森で」 記事を書こうと思い、その前にいつもの習慣でチラッとネット書店を覗いてみると、あらら? 「あと在庫3冊」となっていた楽天ブックスが、「メーカー取り寄せ」になっているではありませんか! ですので、急遽、記事変更です。
以前、「楽天で買ったよ」という報告をいただいたのがお一人、その後、在庫数の減少1を確認しましたので、つまり楽天在庫分合計5冊が完売されたということですよね。
ばんざ~い!
ですから完売されたということは、ネット書店さんに少額ではあっても確かに利益を上げていただいたということであり、また、「青い鳥のロンド」の読者さんが確実に5人増えたということでもあって、1000人の読者さんを目指している緋野のような書き手にとっては、十分万歳に値するのです。
買ってくださった3人の方々、ありがとうございました。そして、レビューをくださった方々も、ありがとうございました。皆様のお陰です。
(会員になっているとか、配送方法とかの選択によっては、送料無料かもしれません)
皆さまもお盆の旅路のお伴に、「青い鳥のロンド」 はいかがでしょうか? (と、すぐに宣伝する緋野です。笑 ・・・ だって、1000人の読者さんには、まだまだ遠いのですもの。頑張らなくちゃ。)
就職氷河期の中でなんとか思いどおりの道を切り開き、仕事も結婚も手に入れた4人の勝ち組女たち。 夢を追う菜摘子を取り巻く人々、ある日忽然と現れた栄の魔女と夢子さん。30歳を迎えた彼女たちを待っていたものは・・・。
今を生きる男女に、幸福の真の意味を問う現代小説。
あなたは青い鳥が見えますか?
■
書き手と編集さん
緋野晴子の「青い鳥のロンド」は売れているのだろうか? と、また考えても詮無きことを考える。 「沙羅と明日香の夏」がよく売れたのは、推薦があって、教育界にアピールしたためだろう。 今回は何もない無名人の文芸書。そうでなくとも売れない文芸書だから心配している。
遠隔操作透視の目?・・小説「青い鳥のロンド」レヴュー
小説の森で - 8.小説の命
菊池寛がこう言ったことがあります。
「作品がうまいと思いながら心を打たれない、まずいと思いながら心を打たれることがある」と。その言葉に接した時、それは結局どちらも優れた小説とは言えないということだと、私まず思ったのですが、それだけでは片付けられないような、ひっかかるものが感じられて、ずっと心に残っていました。
菊池は、芸術的価値を重視する文壇文学に対して、小説はもっと実人生と密接に交渉すべきだと、内容の生活的価値の重視を主張しました。そこで頭に浮かんでくるのは、もうひとりのテーマ小説の書き手である芥川龍之介です。
芥川こそ、まさに芸術的価値を重視する作家でした。私は彼の羅生門を読むと今でも惚れ惚れして、ああ、一作でいいから、こんな完璧な芸術品を作り上げてみたいものだと思ったりします。
けれど菊池の言うとおり、その感動の主体はどうも、「上手い!」ということや、「場面の凄まじい美」にあるのであって、テーマの投げかけている主張は理解できるものの、なぜかその点に心を揺さぶられる感じがしないのです。
生活的価値を重視した菊池は、社会性のある素材を、簡潔平明な文体で、くだくだしい心理や性格解剖などに道草することなく、現実的・常識的・具体的な思考をもって、読者が直ちに興味の中心に入れるような小説を書きました。彼の小説は大衆の心を掴み、文学大衆化の先駆けとなったのです。
けれど、菊池の作品もまた、真に「心を打たれる」と言えるだろうか? と、私には ? がつくのでした。志賀直哉の作品と読み比べてみてください。違いが分かると思います。
あれから何年、何十年もの時が経って、緋野は読む人間から書く人間に変わり、ようやく分かりました。小説でも何でも、文学作品にとってもっとも大切なのは、そこに作家自身の生きた血が通っているかどうかということだと。私小説という意味ではありません。作家の魂がそこに生きていて、切ればどこかから作家自身の熱い血が流れ出してくるようなもの、ということです。
それが小説の命です。
そう思って故人の言葉を思い出してみると、その意味することが、とてもよく分かります。鴎外は、「どんな芸術品でも、自己弁護でないものは無いように思ふ」と言い、漱石は、「徹頭徹尾、自己と終始し得ない芸術は、空疎な芸術である」と表現し、ボーボワールは、「文学は読者が作者の肉声を聞きとる瞬間に始まる」と言いました。みんな同じことを言っていたのです。
Amazonにいただいた「青い鳥のロンド」レヴュー
自著の売れ行き調べのついでに Amazon を覗いてみましたら、まあ、嬉しい! どなたかが
レヴューを載せてくださいました。 しかも、☆ 5つ!
こういうものってきっと友達とか身内だろうと思われがちですが、正直、私の知らない方です。
(? 私が知らないだけで、ひょっとしたら予約者さんのうちのどなたかかもしれませんけれ
ど、私のところに、「載せたよ」という連絡は来ていません)
男性こそ読んでください というタイトルです。
家庭と仕事の間で揺れる30歳の既婚女性4人。
仕事にかける思いがある。家庭に対する思いがある。
そんな彼女たちの4者4様の悩みは今を生きる共働き夫婦のひとつの姿だと感じ
ました。 私は未婚ですが、彼女たちが抱える仕事の悩みには共感するものがあ
りました。同世代の家庭をもつ女性、働く女性はもちろんですが、家庭のある男
性にも是非読んでもらいたい一冊です。
カスタマー さんとありましたので、やっぱり Amazon で買ってくださった方でしょうか?
私は自分の小説へのレヴューを集めて大切にしていますので、Amazon 掲載のものも、
このブログにいただいておきます。Amazon で公開されているのですから、いいですよね?
もし Amazon からクレームが来るようでしたら、すぐに削除いたします。
お名前が分からなくて残念ですが、カスタマー さん、ありがとうございました。
緋野晴子著「青い鳥のロンド」え!売り切れ?!
小説「青い鳥のロンド」の出版から、あっという間に一か月以上も過ぎていまし
た。心に引っかかっていた考えたくない疑問 (売れているのかな?) に向き合
うべく、本を平積みにしていただいた、いくつかの書店をそっと覗いてみました。
すると、早くも店頭から消えている書店、まだ置かれているけれども売れていな
い書店、ほんの少し売れただけの書店、総じて厳しい現実に、また心が萎えそう
になるのでした。
ところがそんな中、最後に行った書店で、自分の目を疑う光景に出会いました。
え! 売り切れ?
って、これ、夢じゃないよね??? と思わず目をこすってしまいました。
お店の方に許可をいただいて撮ってきたのが、この写真です。
ね、夢じゃないでしょう? 皆様もびっくりですよね。
しかも、上にあるのは何かの大賞受賞作、その隣はNHKのドラマ化作、目を下
に戻せば右隣は45万部突破作、左隣にはなんと、かの有名な芥川賞作家のお顔
があるじゃありませんか! そう、「劇場」の隣です。
まあ! まあ! よくぞこんな場所に緋野晴子の「青い鳥のロンド」を置いてく
ださったものです!
しかもこんなに大きな広告ビラまで作ってくださって! 感激以外のなにもので
もありません。
この書店がこうまでしてくださった理由を考えてみました。写真の下の方をご覧
になれば分かると思いますが、1つは緋野の在住地に近いということでしょう。
この書店さんは、東三河地方にある某書店です。そしてもう一つはやはり、書店
回りをした時の、緋野の小説内容の説明に感じていただけるものがあったからだ
ろうと思います。
それにしても考えさせられたことは、本が売れるか売れないかということは、ま
ずは内容の良し悪しよりも、書店さんの売り方如何にかかっているのだなという
ことです。
同じ平積みでも、平積み本が無造作にきちきちに詰めて並べられているところで
は、緋野の本は売れていませんでした。
(せっかくの帯のキャッチコピーも、白字で読めない状態でしたしね)
対して、大きな広告ビラがついて、良い場所に置いていただければ、売り切れに
なるのですから。
小説は最後まで読んでみなければ良し悪しの分からない商品ですから、まずは興
味を惹くことが肝心なのだと、これは創作におけるタイトルや書き出し、製本段
階における装丁デザインやキャッチコピーにも通じることだと思いました。
(もちろん、大きく売れていくには、内容に大衆の心を掴むものがなければならな
いでしょうけれど)
その点、今回の出版には、いろいろ反省点があったように思います。
ともあれ、売り切れ は有難い出来事でした。
いろいろなハプニングがあり、出版全体を通じて萎えがちだった心が、この一事
で、ピーンと元気になりました。
書店さん、ありがとうございました。