クリスマスが近づいています。
街がイルミネーションで飾られて、人々がなんとなくソワソワし始めたように見えるこの時期になると、子ども
の頃を思い出します。一年で一番好きな行事がクリスマスでした。
私の家の周りにはイルミネーションなどなく、もらえるプレゼントは赤い長靴に入ったお菓子と決まっていまし
たが、北風が木の葉をみんな吹き飛ばし、空が白っぽくなって、年末の話題が大人たちの口にのぼり始める
と、私はもうクリスマスを想ってワクワクするのでした。
クリスマスの夜に雪が降らないかなあと、そればかりをひたすら願っていました。なぜって、雪は神様の恵み
のように思えたからです。サンタクロースはその雪の中を橇を蹴ってやって来るのですから、クリスマスに雪
が降らないというのは、プレゼントをもらえても、なんだかインチキくさくてがっかりです。神様の愛が足りない
ような気がしました。
私の住んでいる地方は雪が少ないので、毎年たいていがっかりしていたのですが、それでも毎年、今年こそ
はと期待してしまうのです。
雪が降った年のクリスマスの幸せ感といったらありませんでした。夜中に何度も外へ出て、チラチラと落ちて
くる儚い雪を手のひらに受け止めたものです。神様からのメッセージのような気がしました。
私は何の宗教も持たない人間ですが、今でも雪の中に立っていると、この世界に抱き取られ、生かされてい
るような想いがしてきて胸が一杯になります。冷たい雪に、恵みのような温かさを感じるというのは、変わった
人間かもしれませんけど。
私にとって今年一番の恵みは何だったでしょう。
それはやはり、次男の健康です。何度も危機のあった昨年に比べると、ほんとうに良くなりました。仕事は相
変わらず忙しくて疲れるようですが、危なげなくこなしています。この大きな恵みが、今年のサンタさんのプレ
ゼントでしょう。来年はいよいよ婚活かな? と密かに考えている母です。
もうすぐ来ます、クリスマス。金曜日から寒波が来ると天気予報で言っていました。今年こそ、雪が降るんじゃ
ないかな? ワクワク、ソワソワしてきましたよ。